2010年 05月 13日
この授業風景は造形科1年生のキルンの授業です。 「キルン」とは、電気炉(窯ともいう)のことで、耐熱性の特殊な板材で箱型にしたもので、内部には電熱線が張り巡らされています。 この電気炉の中でガラスを溶かし合わせたり、型に流し込んだり、曲げることができます。 そうしてガラスを成形する技法のことを「キルンワーク」と言います。 1年生の授業での初キルンワーク課題は、「自然物のレリーフ 」*1です。 キルンワークの中でも、「パート・ド・ヴェール」*2といわれる技法を使います。 今日はゴールデンウィーク明けの、長い休みをはさんだ久々の授業。 休み中は学校での作業はできないので、家に粘土原型を持ち帰り、それぞれに悪戦苦闘していたようです。 一人一人、キルンワーク担当の渋谷先生にチェックしてもらいます。 さあ、OKの一声が出るか否かっ。 厚みがあまりないなかで、立体感・奥行きを表現するレリーフ技法は、実はとってもむずかしい・・・。 みんなそれぞれに、モチーフをじっくりと観察して、普段意識していなかった部分も見えてきたようです。 この粘土原型の型をつくり、中にガラスをつめて、窯で溶かす(窯入れ)という工程がこのあと待っていますが、 今年のスケジュールは、連休や祝日の関係でいつもよりも授業時間が少ない→時間がない→やるしかない!! ということで、6月の窯入れに向けてみんながんばっています。 じつは、本番に使うパーツをあらかじめ用意しておく必要がある生徒さんが何人かいますが、本日窯入れなのです。 急げ急げ〜。「あせらず、ていねい、テキパキとね」の声かけをしつつかなり心配・・。 こちらはガラスの粒を着々と型につめています。神経を指先に集中する作業です。 途中、型が割れたり、ガラスの調合が違いやり直したりと、いろいろありましたが無事にパーツの窯入れができました。 各作業にかかる時間も、勉強になったのではないでしょうか。深夜の窯入れでヘロヘロの人もいましたが、 次にこの経験を活かしていきましょう。ということで、記念に一枚パチリ。(I) *1 「レリーフ」 イタリア語 rilevare(ふくらませる、引き立てる)(陰影などによる)浮き彫り模様 *2 「パート・ド・ヴェール」 フランス語 pate de verre (ガラスの練り粉)紀元前16世紀に古代メソポタミアで発明された技法。型面にガラス粉をつめて溶かす。
by toyamaglass
| 2010-05-13 23:35
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